叙述トリック

シックスセンス
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD31786/index.html


ダイハードでお馴染みのブルース・ウィリスが主演する超名作です。
なにが素晴らしいかって、それは見れば分かることですが、とにもかくにも叙述トリックの妙でしょう。
この映画を見れば、前に私が「ひぐらしのなく頃に鬼曝し編」を強く批判した理由が分かってもらえると思います。
叙述トリックとはかくも美しいものなのだと、この作品は教えてくれます。
騙すためだけに真実を捻じ曲げた「鬼曝し編」など話にもなりませんし、あるいは私がかつて第二回KanonSSこんぺ中編部門で書いた「その手のひらに紡ぐもの」のように騙したまま答えが分からない人を残してしまったような作品も最悪です。
語らないとそもそも成り立たないものであり、尚且つ語らないままでは終われない、そんな曖昧微妙な一本綱の構造。
かくも叙述トリックとは難しいものであり、だからこそ綺麗に決まった時の美しさがあるのです。
まぁ喩えるなら、幅五メートルの鉄筋コンクリートの橋を渡るのは誰にでも出来る事だし、細さ一ミリの糸の上を渡るのならそれは詰まらないトリックでしかない、そういう事でしょう。
どちらもギリギリのバランス、その危うさを表現する事は不可能です。
そしてそれこそが叙述トリックの美しさです。


他人にオススメしたい映画といえば「ショーシャンクの空に」とベタな名を上げてしまう程度の映画ファンではありますけど、
次点でオススメするなら「海の上のピアニスト」かこの「シックスセンス」を挙げたいです。


まぁでも、実はこの映画で一番好きなシーンは作中で登場する女の子が死亡する原因とその証明方法だったり。
あのシーンの悲しさは他の多くの映画を越えるものだと思います。
「家族計画」が好きな人は、絶対同じように思うはずです♪