この青空に約束を

久しぶりに本格的にムカついたアニメです。








とりあえず、ここまで各攻略可能ヒロインごとのシナリオを極限まで短縮し魅力を失わせてきたアニメのようで、私としては非常にどうでも良いアニメだったわけですが……。
ここに来て、どうでも良いなんて言ってられなくなりました。


というのも。
最新話からなんど聞いても声がプリムラな女の子のお話になったわけですが。
仕事に忙しい父親とパチンコに熱心な母親に放置され、一人きりでいるしかないその女の子を主人公が見るに見かねて寮に連れてくるのですが……同じ寮の先輩が「犬や猫じゃない」と言います。
なるほど確かに、犬猫のように簡単に連れてきて良いわけありませんね。
親権関連はとみに難しい問題ですし、そこまで行かなくとも、子供を親元から引き離す事(たとえその親に問題があったとしても)は難しいです。
けど、その先輩は続けてこう言います。


「あの子の面倒を一生見続けるだけの覚悟があるのか」


…………って、思いっきりペット扱いじゃんっ!!?
いやいやいや、なんで? ありえないですよ。
この人の頭の中には一時的な保護とかないのか?
それ以前に、なんで女の子は『自立しない』ことが前提になってるんだ?
親から半ば捨てられた子供を助ける事が、どうして一生の責任を負う事になる??
寮に住まわせるだけでなんでそこまでの話になるのか、さっぱり意味が分かりません。


真面目なシーンのように演出しているからこそなお更に、この部分のあまりの酷さに引きました。
アニメの脚本が酷いのだと信じたいですが、もし原作でもこの通りなのだとしたら、シナリオライターには地獄の業火をプレゼントです。
常軌を逸してるとしか表現のしようがありませんね。
あるいは、究極的な差別主義者なのかもしれませんが……それはさすがに無いと信じたいです。


まぁもちろん、先輩の言わんとしている事も理解できないわけじゃないのですけどね。
つまり、『希望を煽った責任をとれ』に非常に近い意味合いなのだと、好意的に解釈する事は可能です。
なるほど確かに、これは正義の味方や世の革命家に求められる責任でしょう。
けど……どうもその辺りを自覚しての発言じゃないように思うんだなぁ。
特に、生涯の責任を求めている辺りが……明らかにおかしいのですよ。
原作を知らない人間なのでこの後どうなるのかは分かりませんが、もしこの『おかしさ』を説明できるだけの展開がなければ、アニメの脚本家、あるいは原作のシナリオライターの人格そのものを疑わなければならないでしょう。


ちなみに、細かい点ですけど。
静の父親に関しては、無条件での問題解決を望むなら職場の上司に訴えるのが妥当です。というのも、彼は仕事を理由に話を聞く事を拒絶しましたから。会社側(雇用主)には労働者に対する同義的責任がありますから、『仕事が忙しいので子供の面倒が見れない』という時点で『会社側が子供との時間を不当に奪っている』という訴えを起こす事が可能です。
その点を上手く利用すれば、脅迫的に問題を解決する事が可能でしょう。
……無条件で、と前置きしたように、最善手ではないかもしれませんが、アニメやゲームのようなハッピーエンドのない現実では、悪くない手です。