リトルバスターズ

暫定全クリア感想。
思ったことを徒然と書いています。
また、暫定とついてある通り、完全クリアというわけではなさそうです。
ただし、本シナリオは全てネタバレです。
キャラはクリア順。葉留佳の前に、一度鈴をクリアしてますが、最後にまとめています。


以下、ネタバレを避けたい方は御注意を!!




葉留佳


日本が法治国家だって少しでいいから思い出してくださいっ!!!
やりたい事は分かるし、古典ミステリの真相になりそうなお話だったのですが、今が2007年である事を考えれば無理がありすぎます。
虐待についてはもちろん今も何処でも起こってる事ですが、両親が健在(単純に生存しているという意味ではなく、健全な家庭を作れている状態)なのに親戚が子供を引き取れる法律なんてあったか?
例えば金銭的な事情があったとしても(勘当という形なので資産はあったはずだけど)、ある程度して生活基盤が出来上がった後、母親が子供を取り返せないような法律なんてあったか?
ってか、二人の父親に産ませて子供はどうするつもりだったんだろ?
婚姻届は? 戸籍は?
戸籍にしろ住民票にしろ、どういう扱いになってるんだ?
一方は私生児扱い??
マスコミに告発されたらどうするつもりなんだ?
道義的というのか通俗的というのか、はたまたどのような理由かはしりませんが、問題にされたら一発でお家が潰れそうなスキャンダルでしょうが。
昭和の中ごろまでの田舎ならともかく、2007年にそんな家があったら、むしろ大爆笑ですよ。学内での噂の広がり方にしろ、ライターさんは激しく時代背景を間違えてます。


……と、色々と突っ込みたいのですが、それは無粋ですか。
結果的には最善のスタートライン(シナリオ中では実は何も解決してない)に立てたんですから。
まぁ、最後のほうの怒涛の展開はちょっと残念でしたけどね。
あのお話で「悪が居ない世界」と言えた葉留佳はちょっと常軌を逸した神経の持ち主だと思いました。(だってどう考えたって家の事しか考えてない親戚連中が悪いですから)


そういう意味で、やっぱりここは初代金田一っぽくドロドロとしたミステリ作品にしてほしかったです。連続殺人ですよ、童歌なのですよ、見立て殺人なのですよっ!!(テンション高し)


姐御


「わふ〜、いっつ、べりぃー、わんだふぉ〜すと〜り〜。ぷりーず、のーこめんと、です!」(訳:わおっ! こいつぁすげぇシナリオだ! コメントはちょっと勘弁してくれぃ!)
と、クドが可愛らしく仰っていました♪


小鞠


にわとりの絵本の意味を知ったとき、泣きそうになりました。
このシナリオで思い出すのは、QED〜証明終了〜という漫画の「デデキントの切断」というお話。ネタバレになるので詳しくは語れませんが、読んでもらえばなるほどと思うはず。ってか、マジでそのまんまですよ(苦笑
それ以外には、壊れた小鞠の怖さは異常だと思います。
もっとヤンデレちっくに書いていれば、更なる人気向上になったのではないかと。その辺り、ライターさんはマーケティング不足なのです。


西園


他のシナリオが「論理的矛盾を含む現実的なお話」だったのに対し、「ファンタジー」としての形を保ち続けているのが面白かったです。
ぶっちゃけ、独立した長編作品として成立しているのは小鞠シナリオとこれだけでしょう。(葉留佳は構造的欠陥を修正すれば面白くなるでしょうが)
美鳥の存在は凄く良かったですね。私はこういうの好きです。
どうせならこれからも、時々入れ替わってくれたりすると嬉しいんだけど……ま、それはSSでって事で。
何かの拍子でまた入れ替わってしまった美鳥の積極的なエロスを書いてみたいものです(馬鹿


鈴&リトルバスターズ


とりあえずBADルートを進んだ時点での感想。


この作品に足りないのは、つまり説得力なんだと。
交換留学生制度には法的な拘束力がありませんから、止めたかったら止めていいわけですし。
それで「イリヤの空、UFOの夏」みたく逃げる必要もありません。
だから彼らの行動がどうにも不可解で、まったく楽しめませんでした。


最後まで進んだ上での感想。


作品全体が持つ現実感のなさの理由は理解しました。
最初に感じたBLっぽさも大きな意味があったんですね。
いや、本当に。恭介たちの存在の重さを思い知りました。
三者三様に守ろうとしていたのだと知った時(各エピソード)は泣けましたよ。
ギャルゲーで男キャラばかりに泣かされるなんて、凄い展開だ(笑


ただ、本当の終盤は微妙だったかも。
個人的には、一度リキと鈴だけが生き残った結末を描いて欲しかったです。仲間たちを犠牲にし、仲間たちに救われ生き残った二人が命一杯生きて、けれどふと思い出すのです。あの時、十分な強さがあればきっと救えたのではないかと。
そこでリセットして、タイトルから全員を助けるルートを作るほうが面白かったのではないかと。
更に、元祖リトルバスターズメンバー以外の描写がなかった事も残念でした。各ヒロイン達の状態について全く触れないというのは、あまりにも不義理ではないでしょうか?
その他大勢で終わらせるのは悲しすぎます。


ん〜、正直、クラナドのような地に足の着いた感動も、Airのような壮大な感動もなく、KANONのような各キャラの感動もなく、ぶっちゃけ凡作といわざるを得ないかも。
悪い言い方をするなら、KEY作品もどき、なんですよね。


あと、やっぱりミニゲームは必要ないように思うのですよ。
別に大筋には繋がりませんし。アリスソフトのように徹底的にやってくれるのならともかく、ただ台詞を聞くだけのものは容量や時間を食うだけで意味がありません。どうせPS2なりに移植するんでしょうが(いっときますが皮肉です)、その際には改善してもらいたいものです。