オリコン4 フライング感想2

今回は短く。


ところで、『No.067 純』の作者さんは準にゃんを知って書いてるのかしら?
いや、別に意味はないのですが、ふと疑問に思ったので。


というわけで、今回は、
24、28、65、88の四作品です。
前回同様、ここを直して欲しいな〜というのを中心に。
もちネタバレなので要注意なのですよ〜。





No.024 放浪鯨

奇を衒ってたり読者への愛が足りていない作品が多々登場する事で有名なオリコンですが*1、こういう最初から最後まで安心して気持ちよく読んでいられる作品に出会えると凄く嬉しいですね。
ただ……若干の置いてきぼり感があったのが残念です。

放浪鯨は人が成るものだ。身体を組み替え、心を入れ替え、宇宙へと旅立つヒト。かつて大連邦ソヴィエトがその種を生み出し、ロシアが引き継ぎ育てた命の業だ。


こんな説明をポンと出されても読んでるこっちは「???」ですよ。
また、何より致命的なのは、空に浮かぶ鯨達の風景が少ないところ。
あくまでアレクとユーリの物語ではあるのですが、私はむしろ鯨たちの描写をもっと読みたかったです。というのも、絶対綺麗じゃないですか? ぷかぷか空に鯨が浮いている風景って凄く良いと思うのですよ。
これは短編部門で出して欲しかったなぁ。
というか、多少設定変えて絵本にすれば良いのだと思いますよ、マジで。



No.028 腐臭

よく出来たホラーですね。
HDDを探っていくシーンなんか凄くハラハラドキドキしました。
オチもなかなか凶悪ですし、面白かったです。
……が、やっぱりシーン抜き出し型は辛いです。
小説というよりは、まるでプロットのような印象でした。
はっきり言っちゃえば、「読ませてくれる」作品じゃないのですよねぇ。
その辺り直してもらえれば、かなり良いものが出来たのではないかと。
プロット(っぽいもの)で十分面白いわけなんですしね。


No.065 ハイブリッドアンビエント

こういう話には弱い私です(笑
ただ、なんで耳の機能が悪化して、それが命に関わるの?
作中では当然のように語られていますが、ぶっちゃけ命に関わるものなのだろうか?
そりゃ聞こえすぎてしまうのは精神に悪影響を与えるでしょうが、あんな死に方をするでしょうか? むしろあり得るのは発狂とかそういうのじゃないのだろうか?
正直、お話のために殺されたような気がします。
もうちょい真面目に設定作りましょうよ(汗
また、音の描写がテキトー過ぎる気がしました。
音の描写って凄く凄く難しくて、私なんかじゃとても書けません。
単純に音楽的知識があるだけじゃ、素人にまるで分からないものになりますし、知識がなければ半端な修飾をして終わるだけです。
どちらも文章としては最悪です。
その辺り、もうちっと拘って書いてくれても良かったのではないかと。
つまり、全然綺麗な光景が思い浮かばなかったのですよねぇ。これって致命的じゃないですか?
と、なんか否定的意見ばっかりですが、最初に書いたとおり私はこういう作品に非常に弱い人間なのでした♪
ちきしょう、作者さん好きだぜ!(ぉ


No.088 探偵は誰だ?

読んで思ったのは、卵が先か鶏が先か理論でした。
始点が不在でも事象は繰り返す、というものです。
というわけで、論点というか、着想そのものは面白かったです。
……が、お話として面白いか?
いったい誰がメッセージを送ったのかという疑問を設定した時点で、それが誰なのかを明確でなくとも示さないと駄目だと思うのですよ。
いや、もちろん。ミステリの中には全ての真相が明かされない話は多々あります。
ただ、主題とされた「探偵は誰なのか」について答えを出さないまま終わるのは不明確でも不親切でもなく、逃避そのものなのではないかと。
要は、このオチが丸っきり機能してないのですよね。
そういう意味でとてつもなく残念な作品でした。
ネタそのものは良いと思うので、長編サイズで書き直してもらえれば、と思いますが……長編サイズならなお更難しくなるでしょうから、ちと厳しいかな?

*1:勝手に私がそう思ってるだけですけどね(笑